オッサン的 批評

定年へのカウントダウンが始まりました。趣味を見つけようとブログを始めました。

映画『凶悪』が『上申書殺人事件』に加えたもの

『凶悪』
DATA
公開 2013年 R15
監督 白石和彌
原作    新潮45編集部
   「ある死刑囚の告白」
上映時間 128分
興行収入 2億円
ジャンル 邦画 サスペンス
キャスト
藤井修一      山田孝之  雑誌の記者 モデルは、新潮45記者  
                                          妻からは「修ちゃん」と呼ばれている。
須藤純二      ピエール瀧 暴力団組長 死刑囚
木村孝雄       リリー・フランキー 不動産ブローカー 先生
藤井洋子       池脇千鶴       修一の妻     義母の認知症の介護中
藤井和子       吉村美子       修一の母     認知症
五十嵐邦之    小林且弥      須藤の舎弟で片腕 


www.youtube.com  掲載させていただきます。 ありがとうございます!!


あらすじ
藤井修一  (山田孝之)が所属する雑誌「明潮24」、編集長のところにある死刑囚須藤純二 ピエール瀧)元暴力団組長から手紙が届く 手紙の内容は須藤は他にも余罪の殺人事件を三件起こしておりその共犯者がまだシャバでノウノウと生きている。 そいつに復讐したいという話だった。 その相手は先生と呼ばれる不動産ブローカー、木村孝雄 (リリー・フランキー)だった。 藤井は編集長に取材を希望するも断られる。 仕方なく藤井は単独で取材を始める。

オッサン的映画批評
この映画『凶悪』にも元の事件がある。 このところオッサンはこのての映画をよく見ている。 前回の『サニー・32』やその前の『渇き』・『恋の罪もそうである。 なぜこの頃それに惹かれているかというとオッサンも一度小説なるものを書いてみようか?と思っているからである。 この拙いブログを読まれている方にも一度くらいは『自分の本を出したい!』と思われている方もいらっしゃるかと思います・・・ オッサンも実はそれがなんですw
といっても 頭から小説のネタなんて沸いてくるほど想像力も無い、何か自分の経験から・・・と言っても平々凡々の人生、それならば・・・と考えたのがこの原作(実話・事件)ありの小説である。 まぁ道は険しいかとは思いますが、その為にも何作か今回のように元事件ありの映画を見て批評していきたいと思います。

映画『凶悪』が『上申書殺人事件』に加えたもの
この映画の元事件は『上申書殺人事件』と言われ、1999年に茨木県で起きた事件である。 『上申書殺人事件』は、死刑判決を受けた暴力団組長Gが上申書を提出、その中には自分にはまだ余罪として三件の殺人事件があり、その共犯者である『先生』と呼ばれる不動産ブローカーXを捕まえてくれという内容だった。 Gに取材をしていた潮45新の記者がそれを取材し明らかにし、刑事事件化したという事件である。

これを読んでわかる通り『上申書』『手紙』という相違点を除けばほんとうにソックリそのままだ。
しかし、映画『凶悪』との大きな違いは主人公 藤井修一の背景として認知症の母藤井和子(吉村美子)とそれを介護する藤井洋子  ( 池脇千鶴 )を加えた点が素晴らしい、もちろん池脇千鶴 の演技は本当に目を見張るものがありそれだけでも価値のある作品に仕上がっているが後半にこの背景が大きく活かされるのである。
それというのは、共犯者である不動産ブローカー 木村孝雄 (リリー・フランキー)の罪というのが、ただの金銭トラブルでの殺人では無く、土地を持っている年寄りを殺し、その土地を転売し儲けるという方法である。そして、その殺人・死体遺棄の共犯者が須藤死刑囚で、二人が名コンビ?として活躍??している。 木村が映画の中で言うように二人は車輪の両輪として儲ける、本当の名コンビである。木村が、儲かる老人を探してきて、須藤が殺し、その舎弟の五十嵐(小林且弥)が協力し死体を遺棄する。ある老人は首を絞め、鉈で粉々にし焼却炉で燃やす。 またある老人には、須藤が素手で殴り気絶させ生きたまま木村の使っていない土地に埋める。そして またある老人は身体の調子が思わしくないため大量に酒を飲ませ心臓発作で殺し山林に埋める。 まさに最強・最悪な名コンビだ!!
劇中ではこの最恐コンビがオモシロ?可笑しく??人を殺す様が映画館の大きなスクリーンに映し出される。こわ!!
藤井記者がこの罪を暴く為に夜も寝ずに独りで翻弄しやがて刑事事件化しこの『罪』を暴き、有能な記者としてまるで「ヒーロー」のように崇められる。
ラストではなんとあの凶悪な死刑囚がキリスト教に改心し心安らかに生きていく。 
これが元で藤井の家庭は崩壊していくのだが、もう死んでいて見ず知らず老人の為に家庭を顧みずに働く藤井の心中、それに対比する、自分の妻であり生きている藤井洋子の苦悩がなんとも言えない 問題作である。 決して賛美することは出来ないがこれぞ、エンターテイメントと思ってしまうオッサンはやはり変質者なのだろうか・・・


池脇千鶴 が離婚届を見せる台詞が心を刺す
「楽しかったんでしょ こんな狂った事件追いかけて」
「あなたは楽しくて楽しくて仕方なかったのよ」
「悔しいけど あたしも楽しかった。」
「世の中にはこんな怖い事件あるんだ。」
----中略----
「あたし ずいぶん前からお母さんを殴っている。」
「もう罪悪感も感じなくなっちゃった」
「お母さんが死ぬのを心のどこかで待っている。」
「自分だけはこんな人間じゃないと思ってた。」

最後まで読んでいただきありがとうございます。
拙い文章ですが、一所懸命書きました。
もし 人名などの誤字脱字ありましたら指摘してください。(すいません。)
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では、本当にありがとうございました。
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